院長ブログ
Vol.2 HSP(敏感気質)のこと
2021年09月09日
院長の中田です。
今回は、HSP(敏感気質)の仕組みを伝統医学の視点から読み解いてみたいと思います。
毎回、お城の例えで申し訳ありませんが、今回もお城に例えたいと思います。
城壁の防御が十分でなく、兵隊の数が少なく、練度も低い国があったとします。その城の中に住む人の心境を想像して下さい。いつ、他国から攻められるかと常にびくびくして、見張りを多く立て、ちょっとした動き、変化にも敏感になるでしょう。それはなぜでしょう?身を守るためにアンテナを高くする事が必要だからです。もし、城壁の防御が厚くて少々の攻撃にはびくともせず、兵隊の数、練度も十分であれば、その城の中の住人の行動はどうなるでしょうか?安心し、どっしりと構えていられるし、見張りも変にびくびくすることなく、必要以上にアンテナを高くすることもなくなり、落ちついて観察をする事ができることでしょう。
HSPの背景にも同じ構図があります。それはどう言うことかというと、身体が安定すれば、基本的には敏感気質でいる必要がなくなると言う事です。むろん身体が安定したらそれだけでHSPがよくなるという訳ではありませんが、身体の安定はHSPから解放される為の一歩と言ってよいでしょう。先ほどの城の例えで言えば、城が安定したらびくびくする必要はなくなるということになりますね。しかし、城が安定したらといって過去の習慣からすぐに解放されるわけではありません。HSPを克服するには、自身の心の癖、傾向を理解し、自身で受け入れる作業を継続することが必要です。そしてその作業を継続するには続けられるだけの体力が必要です。そういう意味では、まずは身体を安定させ、同時に心の安定の為の練習を繰り返していくことが大切と言えます。
今の社会は、身心両面の問題を「心の問題」としてことさらに心に負担をかけていると思っています。身体が良くなれば身心が整うかというとそれでけでは不十分だし、心体を、考え方を変えたら身心が整うかというとそれだけでもありませんが、そもそも体と心を行ったり来たりしながら私達は人生を生きて行く存在なのだと思います。
さて、伝統医学では、胃腸の機能、消化力を重視します。消化力は例えるなら城壁の厚さであり、兵隊の数、練度であり、国力とも言えます。消化力を良い状態に保ち、体を動かして体力をつけると、身体が整います。身体が整うと、五感の感度が変わり、物事に驚かなくなります。逆に身体が脆弱だと、五感の感度は敏感になり、驚きやすく、不安に陥りやすくなります。HSPで困っている人はひとつの身体的特徴をもっています。それは胃腸の消化力低下です。そこで、HSPの方には、「まず胃腸を整えて身体を安定させよう。身体を整える事で、五感センサーが安定し、それによって必ず精神が安定するから。」と最初にお話しする事にしています。パソコンの入力データが狂っていると、如何にコンピューターが正しく計算しても正しい計算結果は得られませんよね。五感から得られる情報=入力データであり、精神活動はパソコンの計算機能と言えます。つまり、安定した思考には安定した身体が必要だ、ということです。先ほどの話に戻すと、入力データが安定した後に、ソフトウェアの改修が必要というわけですね。
最後に、身体を整えかたについてお話ししておきます。身体を整える方法を「養生」と言いまが、養生の基本はひとことで言うと「少なく食べて、よく動く」これにつきます。養生の方法については、「養生のキホン」チラシを下記に公開していますので参考にしてみて下さい。
また、これを簡単に説明した動画が公開されていますので、お時間のある方はこちらをご覧下さい。
https://www.mbs.jp/inokokoro/archive69.shtml
さらに、もう少しお時間に余裕のある方は、シリーズで動画が上がっていますのでご覧下さい。
https://www.youtube.com/channel/UC2wiKG1ysP05J_OTgikmVkQ