Vol.39身心のアクセル|泉州統合クリニック|高石市 漢方内科・婦人科・心療内科・精神科・内科・専門外来(ヨガ・食養生・鍼灸・アーユルヴェーダ)

院長ブログ

Vol.39 身心のアクセル

2023年02月22日

体調が悪くなる人の特徴の一つに「身心のアクセル全開」問題があります。例えば、、

ただ寒かっただけなのに

冬の寒さで体温を上げる為に全身の筋肉に力が入る→血圧上昇。血圧が上がった事をみて、ビックリして心配になり心に力が入る→動悸と更なる血圧上昇。慌てて病院を受診して、これはいけません、急いで血圧を下げましょうと降圧剤が処方される。→急に血圧が下がった事に対して体が反射的に血圧を上げようとする。

そもそも、最初はただ寒かっただけ。部屋を温かくして、足元を温め、温灸で腰を温めてホッとしたら身心のアクセルを踏み込む足も力が緩むのに、血圧の数値を見て焦って更に踏み込んでしまうという、まさに、間違ってアクセルを踏んだところ急発進に驚いて更に強くアクセルを踏んでしまうのと同じ事が起きてしまっています。

 

防御の構え

身の安全が保てないとき、防御の構えになりますが、その時の身心はどんな状態になるでしょうか。想像してみて下さい。肩、肚に力が入り、呼吸は浅く早くなり、心拍数が上がって、周りの物音や気配に対して警戒心を最大にするのではありませんか?身心のアクセルは、身の安全を確保するために踏み込まれていますね。では、「身の安全が保てない」状況に陥るとは、どう言う状態なのでしょうか。

 

「相手(対象物)」 >「我」

「我」が対象物であったり、人であったり、環境であったりに対して、弱い(と思われる)存在であるとき、「不安」が生じますね。これは相対的、かつ主観的な感覚です。ですから、自分自身を信じることが出来ていて内面に安心を得ている人は、「不安」を生じにくくなります。内面だけでなく、身体が丈夫で安定していることも「不安」が生じにくくなります。ですから、普段から養生し、自分自身を受け入れて肯定出来ている状態がある意味最強と言えるでしょう。その反対に、身体に不具合があると、身体からの心に対する働きかけで心は不安定になり、警戒レベルが上がります。警戒レベルが上がると、安心して居る時と比べて、警戒心を維持する為のエネルギーを多く消費しますから、余計に疲れてしまうというネガティブな循環が始まります。この悪循環の先に体調不良があります。

 

 

体をゆるめる

「心→体→心→体」の悪循環があるなら、「体→心→体→心」の好循環もあります。そう、順向きがあるなら、逆向もあるのです。不安から体が痛くなり、痛みが心の不安を加速するというサイクルに陥っているときに心を落ち着かせることは難しいです。でも、体を温め、体を撫でて、硬直した筋をゆるめることで、血圧が下がり、ギンギンに興奮していた意識が緩んで眠くなり、不安が解除されるという逆向の矢印も存在します。矢印を逆向にするのに必要なのは、自分の中で負の循環が回っていることを認識し、理解して、矢印を逆向にする為の「行動」(身体を使った)をとるが大切です。これは、アクセルをベタ踏みして、急加速したときに足に力が入って踏み込んでいることに気が付くことが大事なのと同じですね。(足に力が入っていることに気がつかないから、焦って更に力を入れてしまう訳ですから)

 

体と心の相互関係

体と心の相互関係を意識すると自分の体に起きていることが理解できるようになります。当院では自分自身の「思考の癖」を知り、「自己観察」を通して自分自身と向き合い、行動を変えて行く練習の場として「養生ヨガ」(現在リニューアルに向けて休講中、R5年春に再開予定)クラスを設置しています。関心のある方は下記リンクより詳細をご覧下さい。

https://www.yojoyoga.com/pages/5839515/yojoyoga

 

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