院長ブログ
Vol.18 春到来 開いた扉にご用心
2022年03月14日
温かくなった割には「冷える」、そんな感覚を持った人はいませんか?花粉症でぐずぐずしていて気がつかないひと、変だなあと思いながら、私だけ冷えるのかしら?なんて思っているひと、様々だと思いますが、実はその「冷える」感覚は正しいのです。
イラストを見て下さい。真冬は寒くて毛穴も閉じています。ぴっちり扉を閉じて中を温めていますから身体は案外暖かいです。しかし、立春を過ぎて日差しが春になり、雨水を過ぎて氷が溶けて湿度が上がり、3月に入って桜の枝がぼわぼわっと色づいてくる頃、私達の皮膚も「緩む」のです。身体の扉が春を感じて開くのですね。その瞬間に「ぴゅー」と吹く春の風。これがくせ者なのです。普段から身体が安定していて気血が廻っているひと(背筋が伸びて、きびきび行動出来るぐらいの消化力と筋力がある人)にとっては造作ないことなのですが、身体に不安を持つ人、少しお歳を召した方達は、急な変化に弱いのです。だから、寒風がぴゆーっと拭いたときに慌てて皮膚を閉じようとしても間に合いません。結果的に「ブルッ」となって寒気を感じるわけです。加えて、3月後半の「土用」です。土用は身体のギアチェンジの時。冬のギアから春のギアに切り替える為、一時的にエンジン(脾胃=消化機能)の接続が切られて消化力が低下し、身体の機能が低下します。ここで無理に食べてしまうと、消化力のますますの低下を引き起こして風邪を引きます。
「緩んだ身体に御用(土用)!」面倒でも、衣服の着脱はこまめにして、お腹が空かない時には、食事を軽くし、よもや免疫力を上げるためにしっかり食べようなんてしないで、穏やかに日を過ごされますよう、お願いします。