Vol.10 「気持ちが上がらない」|泉州統合クリニック|高石市 漢方内科・婦人科・心療内科・精神科・内科・専門外来(ヨガ・食養生・鍼灸・アーユルヴェーダ)

院長ブログ

Vol.10 「気持ちが上がらない」

2021年12月10日

12月に入り、寒さが身にしみるようになりましたね。ここ最近「調子が悪い」「気持ちが上がらない」という受診が増えました。これをお読みのあなたはいかがですか?

 

七十二候を確認してみましょう。「閉塞成冬」(そらさむくふゆとなる)と出ていますね。冬至直前の12月初旬、いよいよ冬になります。山の動物たちも冬眠します。「閉塞」この文字が示すように、「寒」が周りを取り囲むので、私達の身体は毛穴を閉じて身を固くし、お腹を抱えてまるまって寒さに耐えます。身体の穴が閉じると同時に心体の扉も閉じていきます。現代社会は電気の力で家を温かくし、夜も明るくし、太陽の無い冬でもそれを感じさせないで生活出来るようにしましたが、もし、ここで電気がなかったらどうするか?って考えてみましょう。もし電気が無ければ、風を除けられる穴に入ったり、藁の中に潜り込むかして風を除け、ジッとまるまって身を寄せ合って暖をとるでしょうね。そんな時、大声でワイワイはしゃいだりするでしょうか?それに食料も少なくなる冬、はしゃいで無駄に熱を発散して体力を消耗してたら春まで持ちませんよね。そもそもこんなに寒くて、昼が短く暗い時期にテンション高く居続ける必要があるのでしょうかね?いささか疑問似思います。

 

季節はめぐります。私達の体調だって常に一定ではありません。いったい誰なのでしょう?いつもはつらつ元気で居ることを健康だって決めたのは。そうです、「いつも元気でテンション高くいる必要はありません。」むしろ、そんなことをするから体調が落ちるのです。周りの自然をちょっと眺めてみて下さい。特殊な動物をのぞいて真冬にテンション高い動物はいません。

 

「閉塞」。心は少々閉じてても良いのです。冬至までは陽気も減ります。むしろ、ジッと大人しくして、日が長くなってくるときまで体力を溜めておく時期です。冬至が過ぎたら(冬至=クリスマスですよね)、一陽来復です。一日一日、日が長くなるのを身体で感じながら少しずつアクセルを踏み込んでいきましょう。

 

繰り返しますが、今、気分が上がらないあなた。そのままで良いのです。焦らず、身体が冷えないように、内臓をしっかり保温するために「足湯」をし、食は減らして(活動量が減っていますからたくさん食べない)、穏やかに過ごしましょう。積極的に気分を落としておいていい。それが、12月の養生です。

 

※足湯についてはvol.9をご覧下さい。温灸は番外編をご覧下さい。

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