院長ブログ
Vol.6(重要!) 身体×心体=行動(結果)
2021年10月14日
今回のお話しは、身心に関わる大事な話なので、しっかり読んで下さいね。
以前のブログで「まず胃腸を整えて身体を安定させよう。身体を整える事で、五感センサーが安定し、それによって必ず精神が安定するから。」と書きました。不安定な身体状況が結果として様々な不具合に繫がるのは事実ですが、胃腸が整い、筋肉もついて身体が整えば、それだけですぐに調子が良くなるのか?という質問に対しての答えは「No」です。
身体と心体の仕組みについて図解していきましょう。
中田の身心第1公式
「身体×心体=行動」
この関係図を使って最近、症状の成り立ちについて説明をしていますが、
第一段階
①身体↓×心体=活動力↓(身体の不調により行動力、活動量が低下する。身体ケアができず不養生でいることで身体が不調となる。)
第二段階
②身体↓×心体↑=活動力↑(心の働きで、活動量を補おうとする。体力の低下による防御力の低下を補う為、心は身体に警戒態勢(交感神経優位とも言いますね)を指示する。その影響で五感センサーの情報を心が増幅して感度を上げて情報収集する=神経過敏状態の入口です。この状態では、何でもないことが、大きく認識され、恐怖心が増幅されます。さらにはその恐怖記憶が何度も上書きされることで思考の中に固定化します。記憶の一部はトラウマとなります。)
第三段階
③身体↓×心体↑=活動力→(心の働きだけでは、身体は維持できず、しだいに活動力が低下する。一方で、過緊張状態は継続する。)
第四段階
④(身体)×心体↑↑=活動力↑(さらに心はアクセルを踏んで活動力を維持しようとする。この段階で身体から意識は離れ、心は身体を無視して更に加熱する。この段階で多くの方は精神科を受診し、向精神薬が開始される。そして身体の問題が水面下に隠れてしまう。)
第五段階
⑤心体↑↑=活動力↓(身体は放置され、心だけ空回りして、元々は身体の問題であった物がいつの間にか心の問題にすり替わってしまう。
第五段階に至ると、ここで身体が整っても空回りしていた心体はすぐには元に戻りません。つまり養生して、身体を鍛えてもそれですぐに過緊張状態は解放されないのです。過緊張状態が長く続く間で、恐怖や不安記憶が何度も上書きされており、思考の癖が出来上がっているためです。もし、第二段階で気がついて対処を始めていたら、養生にてすみやかに警戒態勢が解除される可能性は残されていますが、第三段階を過ぎた状態から回復するには、心の訓練、つまり自分の身体に意識を向けて自分自身の感覚に集中する訓練をすることが必要になります。(当院ではこのプロセスを養生ヨガクラスにて行っています。)
回復へのプロセスでは以下のことが必要となります。
①身体をまず養生して整えて五感センサーを元に戻す。
②整った身体感覚に意識(心)を集中して、心の空回りに歯止めをして心の土台の再構築を行う。
③身体感覚と心体の認識の関係性を(身体から)体験し、心の空転をそのままにしない意識状態を維持できるようにする。
④自分自身の存在(ありのまま)を受け入れる。
第三段階以降では、まずは養生して身体を整え、整えた身体に対して繰り返し意識を向けて行くことで徐々に心の空回りは解除されて、徐々に活動力が回復していきます。
身心を整える為には、この第一段階〜第五段階の悪化プロセスを理解し、そして回復へのプロセスに各自取り組むことがとても大切です。結論を急いで結果思考になるのではなく、プロセス思考で自分自身を見つめてみましょう。解決の糸口が得られるはずです。