Vol.66 母子同服という考え方の背景|泉州統合クリニック|高石市 漢方内科・婦人科・心療内科・精神科・内科・専門外来(ヨガ・食養生・鍼灸・アーユルヴェーダ)

院長ブログ

Vol.66 母子同服という考え方の背景

2024年04月01日

夜泣きの漢方薬

夜泣きに抑肝散を母子同服という飲み方が有名ですが、これについてある医師から質問を受けました。「年配の医師から伝え聞いたことがあるのですが、乳幼児の癇癪、夜泣きを抑えるために、母親が抑肝散を内服して母乳移行を利用していたと聞いたのですが、それは本当のことなのでしょうか?」という質問です。これに対して私はこう答えました。「乳飲み子と母親は一心同体といっていいくらい密接に身心が繫がっています。それゆえ、母親が疲れてイライラしたり、不安になったりしているとそれはダイレクトに赤ちゃんに伝わり、それによって赤ちゃんも不安定になります。母親からしたら、自分の子供の夜泣きや癇癪に自分が関係しているって思いたくはないですよね。でも、どこかでそうだよねって思ってる。でも、それを他人から指摘されると腹が立つものです。だから、『母乳を通して赤ちゃんに飲ませる』って説明して受け入れやすくするのです」と。

 

方便が必要な理由

さて、母乳に成分が移行するっていうことの真偽はともかくとして、「人間は人と人との繋がりの中に生きている」という事を前提にしていないと、赤ちゃんの癇癪に対して母親が内服することの意味について、母乳を通して赤ちゃんも内服するんだと理解するしか方法がなくなりますよね。ご質問の医師に教えてくれた年配の医師がどう考えていたのかは知るよしもありませんが、きっと本気で母乳を通して成分が移行するとは、、思っていなかったのだと思います。ただ、医者っていう人種はとにかく物質的な思考をするということで、関わり合いが大事なんだという言い方をすると相手が正しく受け取ってくれないと考えたのかも知れませんね。それはそれでちょっと寂しい事ですけれどね。

 

 

 

 

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