院長ブログ
Vol.25 令和四年の大峯奥駈修行を終えて(報告)
2022年07月25日
今年の大峯奥駈修行を無事に終え、満行して参りました。修行に送り出して下さった方々、関係者方々に感謝申し上げます。
不思議体験
今年の修行は淡々とかつ、不思議な体験を重ねながら進みました。4月に体調を崩して以来、中々体調が戻らず、事前準備に不安を残したままのお修行でしたので、今までより余裕が無いスタートでした。余裕が無いので、前を歩く行者さんの足元を見つめてただ歩く事になったのですが、気がつくと次の靡に着いていて、気がつくと2時間以上も歩いていて、心肺はいつもよりキツいのですが、あっと言う間に行程を歩いている不思議。一方、毎回通るときに見ていた「ハズ」の看板がそこになくて、「確かここに看板あったよね?」と仲間の行者さんに聞いても「???」、もしや僕しか知らないの?パラレルワールドにでも入ったのかしらん?と思える瞬間があったり、前の年に大転倒した場所を確認しようとしても、その場所が忽然と姿を消していて、先輩行者さんにそれを聞くと、「一年も経ったら道、変わるからなぁ」の一言。
毎回違うけれど同じ
前の年とは変わっているのに道はそこにあって、いつも同じで無い道を歩いているけれども、それは大峯の背中であって、歩き続けると経由地に着いていると言う不思議を身体で体験させてもらった今年の奥駈修行。瞬間、瞬間が、即今只今であって、「毎回同じとか、絶対確かなこと」ということの方がむしろ自然からすると変なんだ、と身体で納得したお修行でした。
頭の修行と体の修行
振り返ってみて、今まで、頭で修行していたなと、頭で何かを感じようと無理をしていたのだなとつくづく思い知らされた今年の修行でした。
いつものような、理屈っぽい感想は有りませんが、身体は大峯の空気を持ち帰ったような感覚があります。それが、これからどのように心を動かしていくのか、今日から日常の仕事に戻り、確認していきたいと思います。